旅の前

泉龍寺(東京、狛江市)・2000年・728×515mm・水彩、鉛筆

 

旧古川庭園洋館・2000年・728×515mm・水彩、鉛筆

 

根津神社・2000年・728×515mm・水彩、鉛筆

 

上の水彩画は私が20歳の頃に描いたもので、東京にある神社や歴史的な建物です。この頃は美大の建築科を目指していました。建物を水彩画で描くという試験があるために、大きな画板をかついで都内の神社や有名な建築を描いていました。

ここで、私が旅に出るまでの経緯を書いてみたいと思います。

私は子供の頃から絵が好きで、夢はピカソやゴッホのような画家でした。しかし画家だけが選択肢ではなく、野球選手、起業家などに憧れました。小学校で油絵クラブに入り、油絵を描くようになりました。高校生になって美大の予備校へ行き始め、初めは油絵科コースでした。そこで石膏デッサンなどを描き始めました。

高校生の間、音楽やデザインなどにも興味が出て、結局はグラフィックデザインと映像に変更して受験しましたが、全て不合格でした。しかし、その時に雑誌である有名な建築家の作品の写真を見た時に、その美しさに衝撃を受け、電撃的に建築に進路を変更しました。

そして念願の美大の建築科へ進みましたが、やってみると自分は建築よりずっとアート寄りだということを感じました。しかし建築を志望して進んだのだから、とことんやってみることにしました。それは実際に楽しくやりがいのあることでした。大学にもずっと泊まりっぱなしで、製図版の下でビーチベッドと寝袋で寝て生活していました。

卒業後はいろんな設計事務所でアルバイトをしたり、社員のようにして働いたこともありました。労働環境は夜はかなり遅めで、夜0時近くに帰宅するような生活でした。その頃、南青山の雑居ビルにある設計事務所で働いていました。ボスが1人と若い所員の事務所でした。そこでしばらく働いたものの、ボスにはドライに契約更新をしないことを言い渡されました。そしてその帰り道に、これでようやくインドへ行ける!と思いました。ずっと前から、インドは行きたい場所だったのです。

そしてチケットを買い、旅に出ました。2003年の4月でした。それからヒマラヤへ行き、この前のページでご紹介したタンカをネパールで描きました。その旅は1年半続きました。その後に日本に帰って2年間過ごし、2006年の秋に今度はチベットへ向けて旅に出ました。

 

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